乗車日記③ 
 
 
雨の中僕は走り続ける。

追われている。白イヤホンが5人、黒イヤホンが1人。

変装用の眼鏡もほぼ役には立たなかった。

仕方がないので近くの適当な階にエレベーターを止める。

観葉植物に包まれた奥行きのあるリビングルームがあった。

ひとりの

深い森

女性

夢の中で一度だけ

きっともう会えない人

「さようなら、もう来ないで」