乗車日記⑦ 
 
 
電車の中から駅のゴミ箱を見ている。

新聞・雑誌、ビン・カン・ペットボトル、ビニール、紙類。

その他のゴミの下には小さく「さようなら」と書かれている。

さっきまで喋っていた隣りの女子3人組は
いつの間にか眠っている。

今日も漂着する死体を調べに湖に来た。

再三の警告「浜に死体を捨ててはいけません」
にも関わらず不法投棄は一向に減らない。

業を煮やした環境局は死体の製造番号をホームページで
公表することに決めた。

適当な石を湖面に向かって投げてみる。
あの石は誰かに当たったのだろうか。

昔、「体温」と呼ばれた存在に。